アマチュア数学者の日記

とある大学で数学を学んでいます。専門は偏微分方程式です。高校野球、マラソン、カメラ、数学、etc...多趣味です。様々なことを書いていきます。

Laplace方程式⑭球におけるディリクレ問題part3

前回からの続きです。

前回、前々回の記事はこちら↓

 

前回の最後に

\iint_S K(x,y) dS_y=1

であることを示しました。

今日はこれを用いて、

u(x) → β(x_0)x_0に関して一様に成り立つことを導きます。

まず、x_0を固定します。

 β(x_0) = β(x_0)\iint_S K(x,y) dS_y

= \iint_S K(x,y) β(x_0) dS_y

とできるので、

u(x) - β(x_0) = \iint_S K(x,y)\{ β(y)- β(x_0) \} dS_y

さらに小さなδを選んで、

Sを次のように分割します。

σ(δ) = \{ x\in S ; |x-x_0| ≦ δ\}

Σ(δ) = S \backslash σ(δ)

これに応じて、

I_δ = I_δ(x) = \iint_{σ(δ)} K(x,y)\{ β(y)- β(x_0) \} dS_y

J_δ = I_δ(x) = \iint_{Σ(δ)} K(x,y)\{ β(y)- β(x_0) \} dS_y

と置きます。

|I_δ(x)| ≦ \sup_{y\in S , |y-x_0|≦δ}|β(y)- β(x_0)| \iint_{σ(δ)} K(x,y)\{ β(y)- β(x_0) \} dS_y

≦ \sup_{y\in S , |y-x_0|≦δ}|β(y)- β(x_0)| \iint_S K(x,y)\{ β(y)- β(x_0) \} dS_y

= \sup_{y\in S , |y-x_0|≦δ}|β(y)- β(x_0)|

βはで連続なので、δ→0のとき

= \sup_{y\in S , |y-x_0|≦δ}|β(y)- β(x_0)| →0

さらに、βはコンパクト集合S上の連続関数なのでS上一様連続。

したがって、

= \sup_{y\in S , |y-x_0|≦δ}|β(y)- β(x_0)| →0

x_0に関して一様です。

すなわち、\forall ε ≧ 0 に対して、

|I_δ(x)| ≦ \frac{ε}{2}

なるδをに関係なくとることができます。

そのδを1つ固定します。そうして、

U(δ) = \{ x\in Ω ; |x-x_0|≦ \frac{δ}{2}

とおくと、 y\in Σ(δ),x\in U(δ) のとき

|y-x| ≧ \frac{δ}{2}

したがって、

|J_δ(x)| ≦ 2\max_{y\in S} |β(y)| \int_{Σ(δ)} K(x,y) dS_y

 ≦ \frac{2\max_{y\in S} |β(y)|}{4π} \frac{R^2-|x|^2}{R} \frac{8}{δ^3} 4πR^2

 ≦ CM(R^2-|x|^2)

Cはによらない定数としました。

したがって、

J_δ(x) →0 ,(x→x_0)

この収束もx_0関して一様になっています。

すなわち、

|J_δ(x)| ≦ \frac{ε}{2}

となるような\frac{δ}{2}よりも小さなδ_1x_0に関係なくとることができます。

|u(x)-β(x_0)|≦| I_δ(x)+J_δ(x) | ≦ε

 

以上の結果を定理としてまとめておきます。

定理(ポアソンの公式)

球におけるディリクレ問題の解uは、S上の任意の連続関数βに対して、

u(x) = \frac{1}{4πR} \iint_S \frac{R^2-|x|^2}{|y-x|^3}

で与えられる一意の解

u\in C^2(Ω) \cap C(\overline Ω)

を持ちます。

これをポアソンの公式といいます。

 

2次元の場合も同様の結果が得られます。

 

定理(2次元におけるポアソンの公式)

円盤におけるディリクレ問題は、S上の任意の連続関数βに対して、一意の解をもつ。

その解u

u(x) = \frac{1}{2πR} \iint_S \frac{R^2-|x|^2}{|y-x|^2}

と表示されます。