アマチュア数学者の日記

とある大学で数学を学んでいます。専門は偏微分方程式です。高校野球、マラソン、カメラ、数学、etc...多趣味です。様々なことを書いていきます。

Laplace方程式⑫鏡像の方法part3

前回までの続きになります。

前回までの記事はこちら↓

 

www.ruhamata.work

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uΩで連続であり、Sにおいて境界値が0のなることを確かめます。

まず、

0≦G(x,y)≦\frac{1}{4π} \frac{1}{|x-y|}

を示します。

G(x,y)=\frac{1}{4π}(\frac{1}{|x-y|}-g(x,y))

g(x,y)≧0より、

G(x,y)≦\frac{1}{4π} \frac{1}{|x-y|}

y\in Ωを固定し、十分小さなεに対して、

Ω_ε=\{x;x\in Ω,|x-y|≧ε]

を定義すれば、外側の境界SではG(x,y)=0

また、Ω_εではG(x,y)xの調和関数でかつ

G(x,y)≧0

なので最大値の原理が適用できて、

0≦G(x,y)

次に境界上の1点を固定し、εに対して次のようなδが存在することを示します。

To show

|x-x_0|≦δ,x\in Ω ⇒|u(x)|≦ε

proof

まず、δ_1を小さく選んで、

U(δ_1)=\{x;x\in Ω ,|x-x_0|≦δ_1\}

とおけば、

|\iiint_{U(δ_1)} G(x,y)f(y) dy |

≦\frac{M}{4π} \iiint_Ω \frac{1}{|x-y|}f(y) dy

≦\frac{M}{4π} \iiint_{|x-y|≦δ_1} 

≦\frac{M}{2} δ_1^2

ただし、M=\sup_{y\in Ω} |f(y)|としました。

したがって、

u_1(x)=\iiint_{U(δ_1)} G(x,y)f(y) dy

に対して、

|u_1(x)|≦ \frac{ε}{2}

が成り立つようにδ_1を選ぶことができます。

このδ_1を固定して、

u_2 =u_1-u

を考えると、

u_2(x)=\iiint_{Ω \backslash U(δ_1)} G(x,y)f(y) dy

ですが、

x→x_0としたときに、G(x,y)f(y)は一様にG(x_0,y)f(y)=0に収束します。

u_2→0

したがって、u_2≦\frac{ε}{2}

が成り立つようにδを取ることができました。

 

長かったですがこれにより球面上でのディリクレ問題に対するGreen関数を構成することができました。

以上の議論の結果をまとめておきます。

 

定理

Ω=\{x ; |x|≦R\}

におけるディリクレ問題

\Delta u(x)=0

u|_S=0

の解uは、fΩで有界かつC^1級ならば、

G(x,y)=\frac{1}{4π}(\frac{1}{|x-y|}-\frac{1}{4π}\frac{R}{\sqrt{|x|^2|y|^2+R^4-2R^2(x,y)}})

を用いて

\iiint_Ω G(x,y)f(y) dy

で与えられます。

 

なお、今回はR^3の場合について考えましたが、R^2の場合は、

G(x,y)=\frac{1}{2π} (log \frac{2R}{|x-y|} - log \frac{2R^2}{|y||x-y|})

を用いるとR^3の場合と同じ結果に帰着します。