アマチュア数学者の日記

とある大学で数学を学んでいます。専門は偏微分方程式です。高校野球、マラソン、カメラ、数学、etc...多趣味です。様々なことを書いていきます。

Laplace方程式⑩鏡像の方法

今日は鏡像の方法を紹介します。

物理(特に電磁気学)なんかではよくつかわれる方法のようです。

数学的にはこの方法を用いてLaplace方程式に対してのGreen関数を導くことができます。

 

まず、物理的な背景から導入します。

いま、真空の半空間

Ω_+=\{x=(x_1,x_2,x_3);x_3≧\}

の1点に、点電荷を置いたときの静電場を考えます。

ただし、境界の平面Sは金属板で、接地されているものとします。

この場合、S上での静電ポテンシャルは0になっています。

このような静電場は、全空間が真空であるとき、

ある点aに点電荷q_aを置くと同時に、

aSに対する対称点a^*-q_aを置くことにより実現されます。

こんな感じ↓

 

f:id:ruhamata:20191121105149p:plain

すなわち、

v(x,a)=\frac{q_a}{|x-a|} - \frac{q_a}{|x-a^*|}

vΩにおいてx=aを除き調和であることと、境界条件

v|_S=0

を満たすことは明らかにわかります。

いま、台がΩの中のコンパクト集合になっている

C^1級の関数ρをとり、

u(x)=\iiint_{Ω_+} \{\frac{q_a}{|x-a|} - \frac{q_a}{|x-a^*|}\}ρ(x) dx

とおけば、これはΩの中の電荷密度ρの分布と、

それとちょうど対称の位置にある符号を反対にした分布による静電ポテンシャルを重ね合わせたものになっています

u

\Delta u(x)=-4πρ(x)

を満たすことは以前示しました。また、

\frac{q_a}{|x-a^*|}

Ωのなかには特異点を持たないxの調和関数です。

さらに、u|_S=0を満たしていることも作り方より明らかです。

言い換えれば、与えられたρに対して、半空間におけるディリクレ問題の解がuによって与えられるということになります。

 

さて、次は境界が平面ではなく球面の場合を見ていきましょう。

上の理論の境界を球面に置き換えるだけでほとんど同じです。しかし、境界でのポテンシャルを0にするために特殊な方法を用います。

※どちらかというとここからの話が本番です。

Ω=\{x ; |x|≦R\}

S=\{x ; |x|=R\}

と置きます。ディリクレ問題

\Delta u(x)=0

u|_S=0

の解u

u(x)=\iiint_Ω G(x,y) f(y) dy

の形に与えるような積分核を構成してみます。

まず、Ωの内点aを1つ固定します。

次にΩの外の点a^*=\frac{R^2}{|a|^2} a に点電荷-\frac{R}{|a|}の電荷を補います。

そうすると、静電ポテンシャルv

v(x,a)=\frac{q_a}{|x-a|}- \frac{R}{|a|} \frac{q_a}{|x-a^*|}

となります。当然境界Sにおいては

v|_S=0

が実現されています。

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このように結ばれるaa^*は球面Sに関して鏡像の関係になっているといいます。

a\in Ωではなく、a\in R^3としても一般性を失いません。

また、中心oの鏡像は無限遠であり、無限遠の鏡像はoと定義します。

a,a^*oでないときには、

は条件

a,a^*はベトナムとして同じ方向を持つ。

|a|・|a^*|

を満足します。

長くなったので今日はここまでにします。

続きは明日書きます。