アマチュア数学者の日記

とある大学で数学を学んでいます。専門は偏微分方程式です。高校野球、マラソン、カメラ、数学、etc...多趣味です。様々なことを書いていきます。

熱方程式⑮Cauchy問題part3 Green関数の性質

前回、熱方程式のCauchy問題

(1) \frac{\partial u}{\partial t}(t,x)=\frac{\partial^2 u}{\partial x^2}(t,x)(t≧0,x\in R)

(2)u|_{t=0} a(x) ,  (x\in R)

の解を構成しました。

その結果、解u

H(t,x)=\frac{1}{2\sqrt{πt}} e^{-\frac{x^2}{4t}}

を用いて

u(t,x)=\int_{-∞}^∞ H(t,x-y) a(y) dy

と表現することができることがわかりました。

今日はこのH(t,x)の性質を見ていきましょう。

 

H(t,x)の性質

(1)t≧0,x\in Rに対し、H(t,x)≧0

(2)H(t,x)=H(t,-x)

とくに、

H(t,x-y)=H(t,y-x)

(3)\int_{-∞}^∞ H(t,x) dy = 1

とくに、

\int_{-∞}^∞ H(t,x-y) dy = 1

(4)t≧0では、H(t,x)t,xC^∞級関数で、

熱方程式を満足します。

証明

(1)(2)は明らかなので省略します。

(3)について

I=\int_{-∞}^∞ H(t,x) dy=\frac{1}{2\sqrt{πt}} \int_{-∞}^∞ e^{-\frac{x^2}{4t}}

とすると、変数変換

s=\frac{x}{2\sqrt{πt}},\frac{\partial s}{\partial x}=\frac{1}{2\sqrt{πt}}

を行うことにより、

I=\frac{1}{2\sqrt{πt}} \int_{-∞}^∞ e^{-s^2} 2\sqrt{πt} ds

=\frac{\sqrt t}{\sqrt{πt}} \sqrt π =1

(4)について

 \frac{\partial H}{\partial t}(t,x)=-\frac{2t+x^2}{8t^2\sqrt{πt}}e^{-\frac{x^2}{4t}}

 \frac{\partial H}{\partial x}(t,x)=\frac{x}{4t\sqrt{πt}}e^{-\frac{x^2}{4t}}

 \frac{\partial^2 H}{\partial x^2}(t,x)=-\frac{2t+x^2}{8t^2\sqrt{πt}}e^{-\frac{x^2}{4t}}

 \frac{\partial H}{\partial t}(t,x)=\frac{\partial^2 H}{\partial x^2}(t,x)

 

以上がGreen関数H(t,x)の性質になります。

次回は、解uが実際に諸々の条件を満たしていることを確認します。