アマチュア数学者の日記

とある大学で数学を学んでいます。専門は偏微分方程式です。高校野球、マラソン、カメラ、数学、etc...多趣味です。様々なことを書いていきます。

熱方程式⑬定常状態への遷移part3

これまで2回にわたって熱方程式が十分時間が経つと定常状態へ遷移することがわかりました。

今日は最後に領域の内部に熱源があり、さらに境界で熱が出入りしている場合についてみていきます。

そのような場合をまとめると以下のようになります。

(1) \frac{\partial u}{\partial t}(t,x)=\frac{\partial^2 u}{\partial x^2}(t,x)+f(x)

(2)-\frac{\partial u}{\partial x}(t,0)=γ_1,\frac{\partial u}{\partial x}(t,1)=γ_2

(3)u(0,x)=a(x) 

 

定理

上の(1)~(3)を満たす解uはで定常状態へ指数関数的に一様収束します。

証明

(1)~(3)は境界から単位時間に

γ_1+γ_2

だけの熱量が流入し、内部の熱源から単位時間に

\int_0^1 f(x) dx

だけの熱量が発生していると物理的にとらえることができます。

したがって、

\int_0^1 f(x) dx+γ_1+γ_2=0

このとき、[0,1]で定義された未知関数

\overline u=\overline u(x)

に対する境界値問題

\frac{\partial^2 \overline u}{\partial x^2}(x)+f(x)=0

-\frac{\partial \overline u}{\partial t}(0)=γ_1,\frac{\partial \overline u}{\partial t}(1)=γ_2

は可解で、

(\overline u,1)=\int_0^1 \overline u(x) dx =0

という条件の下で一意に定まります。

w=u(t,x)-\overline u(x)

とおくと、

wの初期値はa-\overline u

(w(0,x),1)=(a-\overline u,1)=(a,1)

また、熱方程式は初期値に対して安定性があるので(以前示しました)、

|u(t,x)-\overline u(x)-(a,1)|≦M||a-(a,1)||_{L_2} e^{-λt}

したがって一様収束することがわかりました。