アマチュア数学者の日記

とある大学で数学を学んでいます。専門は偏微分方程式です。高校野球、マラソン、カメラ、数学、etc...多趣味です。様々なことを書いていきます。

Laplace方程式⑨球面平均の定理の逆

今日は球面平均の定理の逆を示したいと思います。

この定理を示すことにより、調和関数であることと、球面平均の公式を満たすことが同値であることがわかります。

 

定理

ΩR^3の任意の領域とします。

uΩで連続でΩ内に含まれる任意の球

K=\{x;|x-a|≦R\}

に対して、

u(a)=\frac{1}{4πR^2}\iint_{|x-a|=R} u(x) dS

が成り立つとします。

このとき、uΩ内でC^∞級であり、かつ調和関数です。

証明

いま、において級の球対称な関数

η(x) =η(|x|)

η(x) =0, (|x|≧1)

\iiint_{R^3} η(x) dx=\iiint_{|x|≦1} η(x) dx=1

を満たすように選びます。

※実際に選ぶことができます。これについてはいつか示します。

次に、δを十分小さい正の数とし、

Ω_δ=\{x; x\in Ω, d(x,\partial Ω)≧δ\}

と置きます。

さらに

η_δ(x)=\frac{1}{δ^3} η(\frac{x}{δ})

と置けば、η_δ(x)の台は球に含まれ、

\iiint_{R^3} η_δ(x) dx=\iiint_{|x|≦δ} η_δ(x) dx=1

この球対称な関数η_δを用いて、軟化作用素の意味でを正則化します。

つまり、x\in Ω_δに対して、

u_δ(x)=\iiint_Ω η_δ(x-y)u(y) dy

=\iiint_{|x-y|≦δ} η_δ(x-y)u(y) dy

と置きます。

実は、u_δ(x)=u(x)ということを示します。

xを原点とする極座標を用いて計算すると、

u_δ(x)=\int_0^δ η_δ(r) r^2 \{\iint_{|w|=1} u(x+rw)dw \}dr

\{\}の中は半径の球面上の積分であって、

仮定により、4uπ(a)に等しくなります。

それゆえ、

u_δ(x)=u(x)4π\int_0^δ η_δ(r) r^2 dr

=u(x)\iiint_{|y|≦δ} η_δ(r) r^2 dr

u_δ(x)の作り方より、u_δ(x)はにおいてC^∞級であることがわかります。

したがって、uC^∞級です。δはいくらでも小さくできるので、

uΩにおいてC^∞級となります。

次にΩにおいて\Delta u=0を示します。

いま、定理における球

K=\{x; |x-a|≦R\}

を固定し、その表面Γをとします。

KにおいてはC^∞級なので、

4πu(x)=\iiint_K \frac{1}{r} \Delta u(x) dy+\iint_Γ\frac{1}{r}\frac{\partial u(y)}{\partial n}dS-\iint_Γ\frac{\partial }{\partial n} (\frac{1}{r}) u(y)dS

ただし、r=|y-a|としました。

Γ上では、r=R,

\frac{\partial }{\partial n} (\frac{1}{r})=\frac{\partial }{\partial r} (\frac{1}{r})=-\frac{1}{r^2}=-\frac{1}{R^2}

なので、

\iint_Γ\frac{1}{r}\frac{\partial u(y)}{\partial n}dS=\frac{1}{R}\iint_Γ\frac{\partial u(y)}{\partial n}dS

\iint_Γ\frac{\partial }{\partial n} (\frac{1}{r}) u(y)dS=\frac{1}{R^2}\iint_Γ u(y)dS=4uπ(a)

が成り立ちます。

ところがGreenの公式に、

v=1,V=K,S=Γ

と置いて成り立つ関係式

\iint_Γ\frac{\partial u(y)}{\partial n}dS=\iiint_K\Delta u dy

を用いれば、

\iint_Γ\frac{1}{r}\frac{\partial u(y)}{\partial n}dS = \frac{1}{R^2}\iiint_K\Delta u dy

したがって、

0=\iiint_K (\frac{1}{R}-\frac{1}{r}) \Delta u dy

ところが、Kの内部K^oにおいては、

\frac{1}{R}-\frac{1}{r} ≦ 0

したがって、連続関数\Delta uK^o内の少なくとも1点

ζ_R,(|ζ_R-a| ≦ R)

において0となります。

R→0とすれば、\Delta u の連続性に注意して、

(\Delta u)(a)= lim_{R→0} (\Delta u)(ζ_R) =0

ここでのK任意性、a\in Ωの任意性を用いると、

(\Delta u)(a)=0

以上により、球面平均の定理の逆が示されました。