アマチュア数学者の日記

とある大学で数学を学んでいます。専門は偏微分方程式です。高校野球、マラソン、カメラ、数学、etc...多趣味です。様々なことを書いていきます。

Laplace方程式⑥調和関数に対するリウビルの定理

今日は調和関数における有界な関数についてみていきます。

その中でもタイトルにあるリウビルの定理について。

リウビルの定理といえば複素解析などの授業で証明した方も多いと思います。

複素解析で登場したリウビルの定理のステートメントを書いておきます。

 

定理(リウビルの定理)

C有界な正則関数は定数関数のみである。

 

以上が複素解析で登場したリウビルの定理です。本質的には同じことなのですが、調和関数版のリウビルの定理というのもあります。

今日はそれを証明していきたいと思います。

 

定理(調和関数に対するリウビルの定理)

u=u(x)R^3有界な調和関数とします。

このときuは定数関数です。

証明

仮定より、\Delta u=0かつ|u(x)|≦MなるMがとれます。

次に、1変数のC^∞級関数η=η(t)

η(t)=\begin{cases} 1(0≦t≦1)\\ 0(2≦t) \end{cases}

と定義します。

また、Rを正の数として

e_R=e_R(x-y)=η(\frac{|x-y|}{R} ) \frac{1}{|x-y|}

とおきます。

I_R=\iiint_{R^3}e_R(x-y) \Delta_y u(y) dy

を考えます。

xを固定する限りは、被積分関数の台は有界であることを確認しておきます。

Greenの公式から、

I_R=-4πu(x)+\iiint_{R^3}( 2\nabla_y η(\frac{|x-y|}{R} ) \nabla_y \frac{1}{|x-y|} + \frac{1}{|x-y|} \Delta_y η(\frac{|x-y|}{R} ))dy

となります。\Delta u =0 なのでI_R =0に注意して、

4πu(x)= \iiint_{R^3}( 2\nabla_y η(\frac{|x-y|}{R} ) \nabla_y \frac{1}{|x-y|} + \frac{1}{|x-y|} \Delta_y η(\frac{|x-y|}{R} )) u(y) dy

積分領域をE_R=\{y\in R≦|x-y |≦2R\}としても一般性を失いません。

また、前回示したように、項別微分が許されて、

4π\frac{\partial u(x)}{\partial x_j } = \iiint_{E_R} \frac{\partial u(x)}{\partial x_j }( 2\nabla_y η(\frac{|x-y|}{R} ) \nabla_y \frac{1}{|x-y|} + \frac{1}{|x-y|} \Delta_y η(\frac{|x-y|}{R} )) u(y) dy

となります。

y\in E_Rに対しては、

\frac{\partial }{\partial y_j} (\frac{1}{r}) =O(\frac{1}{r^2})=O(\frac{1}{R^2})

\frac{\partial^2 }{\partial y_i \partial y_j }(\frac{1}{r})  =O(\frac{1}{r^4})=O(\frac{1}{R^4})

\frac{\partial }{\partial y_j}η(\frac{|x-y|}{R} )  =O(\frac{1}{R})

\frac{\partial^2 }{\partial y_i \partial y_j }η(\frac{|x-y|}{R} ) =O(\frac{1}{R^2})

\frac{\partial^3 }{\partial x \partial y_i \partial y_j }η(\frac{|x-y|}{R} ) =O(\frac{1}{R^3})

となります。

※例えばO(\frac{1}{R^2})はおおまかに\frac{1}{R^2}くらいのオーダーを持つという意味です。収束のスピードとかに関係します。

Rによらない定数C_jを用いて、

|4π\frac{\partial u(x)}{\partial x_j }| ≦C_j \frac{1}{R^4}\iiint_{E_R} |u(y)| dy

E_Rの体積は  O(\frac{1}{R^3}) なので、

|\frac{\partial u(x)}{\partial x_j }|=O(\frac{1}{R})

\frac{\partial u(x)}{\partial x_j }→0

u(x)は定数関数