アマチュア数学者の日記

とある大学で数学を学んでいます。専門は偏微分方程式です。高校野球、マラソン、カメラ、数学、etc...多趣味です。様々なことを書いていきます。

Laplace方程式⑤Newtonポテンシャルとポアソン方程式

今日は、Newtonポテンシャルについて。

定義

Ω有界領域、ρΩ有界な連続関数とします。

u(x)=\iiint_Ω \frac{1}{r_{xy}} ρ(y) dy

によって定義されるu(x)のことを密度ρを持つNewtonポテンシャルと呼びます。

 

Newtonポテンシャルの最も重要な性質として、ポアソン方程式

\Delta u(x)=-4πρ(x)

を満足することが挙げられます。

 

定理

Newtonポテンシャルにおいて、ρΩ有界かつC^1級であるなら、u(x) \in C^2(Ω)

\Delta u(x)=-4πρ(x)

が成り立ちます。

証明

ρの台がコンパクトになっている場合のみを考えることにします。

※コンパクトでない場合は適当な補助関数を用いて、コンパクト化することができます。

また、ρΩの外にも0で延長されているものとします。

よって、積分範囲を全空間に延長できて、

u(x)=\iiint_Ω \frac{1}{r_{xy}} ρ(y) dy

=\iiint_{R^3} \frac{1}{r_{xy}} ρ(y) dy

となります。

u(x)xに関する1回偏導関数は、

\frac{\partial u(x)}{\partial x_j} =\iiint_Ω \frac{\partial }{\partial x_j} (\frac{1}{r_{xy}}) ρ(y) dy (j=1,2,3)

となります。これを示します。

\begin{cases} \frac{1}{r} (r≧ε) \\ \frac{1}{ε} + \frac{1}{2ε} (1-\frac{r^2}{ε^2}) (r≦ε) \end{cases}

を用いて、u

u_ε(x)=\iiint_Ω e_ε(x-y)ρ(y)dy

によって近似します。

また、ρ有界な関数なので、

ρ(x)≦MなるMがとれて、これを用いると、

|u(x)-u_ε(x)|

≦\iiint_Ω (\frac{1}{r}-e_ε)|ρ(y)| dy

≦M\iiint_{|x-y|≦ε} \frac{1}{r} dy

=2πMε

ε→0とすることにより、u_εuに一様収束することがわかりました。

したがって、

\frac{\partial u(x)}{\partial x_j} =\iiint_Ω \frac{\partial }{\partial x_j} (\frac{1}{r_{xy}}) ρ(y) dy (j=1,2,3)

という計算が許されることがわかりました。

次に、ε→0としたときに、\frac{\partial u(x)}{\partial x_j}

v_j(x)= \iiint_Ω\frac{\partial }{\partial x_j} (\frac{1}{r}) ρ(y) dy 

に収束することを見ます。

\frac{\partial }{\partial x_j} \frac{1}{r}= -\frac{x_j-y_j}{|x-y|^3} より、

|\frac{\partial }{\partial x_j} \frac{1}{r}|≦\frac{1}{r^2}

\frac{\partial }{\partial x_j} e_ε(x-y)=\begin{cases} \frac{\partial }{\partial x_j}\frac{1}{r}   (r≧ε) \\ -\frac{1}{ε^2}  (x_j-y_j)   (r≦ε) \end{cases}

|\frac{\partial }{\partial x_j} e_ε(x-y)|≦\frac{1}{r^2}

以上を用いて、

v_(x)-\frac{\partial }{\partial x_j} u_ε(x) |

≦M\iiint_Ω |\frac{\partial }{\partial x_j} \frac{1}{r}-\frac{\partial }{\partial x_j} e_ε| dy

≦M\iiint_{|x-y|≦ε}  | \frac{1}{r^2}+ \frac{1}{r^2} | dy

=8πMε

よって、

次に、ε→0としたときに、

\frac{\partial u(x)}{\partial x_j}

v_j(x)= \iiint_Ω\frac{\partial }{\partial x_j} (\frac{1}{r}) ρ(y) dy 

に収束することが示されました。

ここまで、ρに関する仮定として、ρ(x)≦Mしか用いていません。

したがって、密度ρ有界な関数ならば、Newtonポテンシャルは全空間でC^1級であることがわかりました。

また、ρ\in C_0^1(Ω)であることを用いて、

\frac{\partial u(x)}{\partial x_j} =-\iiint_Ω \frac{\partial }{\partial x_j} (\frac{1}{r}) ρ(y) dy

=\iiint_Ω \frac{1}{r}\frac{\partial }{\partial x_j}ρ(y) dy

このとき右辺は、\frac{\partial }{\partial x_j}ρ(y)を密度とするNewtonポテンシャルそのものになっています。

したがって、先ほどの議論を繰り返し適用できて、

\frac{\partial^2 u(x)}{\partial x_i \partial x_j } =-\iiint_Ω \frac{\partial }{\partial x_i} (\frac{1}{r})\frac{\partial }{\partial x_j} ρ(y) dy

が成り立ち、さらに\frac{\partial^2 u(x)}{\partial x_i \partial x_j } が連続であることもわかります。

u\in C^2(Ω)

最後に、uポアソン方程式\Delta u(x)=-4πρ(x)を満たすことを示します。

x=0の場合のみを考えても一般性を失いません。

\Delta u(x)=-\iiint_Ω \sum_{j=1}^3 \frac{\partial }{\partial y_i} (\frac{1}{r})\frac{\partial }{\partial y_j} ρ(y) dy

=-\iiint_Ω \Delta_y (\frac{1}{r}) ρ(y) dy + \iint_{σ_ε} ρ(y)\frac{\partial }{\partial n_y} (\frac{1}{r}) ρ(y) dy

=\frac{1}{ε^2} iint_{σ_ε}ρ(y) dS

=4π(\frac{1}{4πε^2} \iint_{σ_ε}ρ(y) dS)

→4πρ(0)

以上により、Newtonポテンシャルはポアソン方程式を満たすことが示されました。