アマチュア数学者の日記

とある大学で数学を学んでいます。専門は偏微分方程式です。高校野球、マラソン、カメラ、数学、etc...多趣味です。様々なことを書いていきます。

Laplace方程式④Laplace方程式の基本解

定義

一般に、xを変数とする偏微分作用素L=L_xに対し、

L_xe(x,y)=δ(x-y)

を満足するx,yの関数をy特異点とするLの基本解といいます。

 

e_a(x)=\frac{1}{|x-a|}

Laplace方程式の解になることは以前確認しました。

e_a(x)の最も重要な性質は、

\Delta_x \frac{1}{|x-a|} = -4πδ(x-a)

と表すことができることです。

今日はこれを導きたいと思います。

x,y\in R^3に対して、r_{xy}=|x-y|とおきます。

\Delta_y \frac{1}{|x-a|}=0

次に、Sを滑らかな閉曲面とします。また、Sの内部をΩとします。

u\in C^2(Ω\cap S)を仮定しておきます。

x\in Ωのとき、以下が成り立ちます。

4πu(x)=-\iiint_Ω\frac{1}{r_{xy}}\Delta u(y)dy+ \iint_S\frac{1}{r_{xy}}\frac{\partial u(y)}{\partial n_y}dS_y
                                +\iint_S\frac{\partial }{\partial n_y} (\frac{1}{r_{xy}}) u(y)dS_y・・・(*)

(*)が成り立つことの証明

一般性を失うことなくx=0とすることができます。

また、r_{0y}=|y|を単にrとかくことにします。

εを十分小さい正の数とし、球面σ_ε=\{y| |y|=ε\}Ωからσ_εを取り除いた領域をΩ_εとします。

Greennの公式

\iiint_{Ω_ε}(\Delta v - v\Delta u )dV=\iint_S( u \frac{\partial v}{\partial n}-v \frac{\partial u}{\partial n}) dS

V=Ω_ε,v=\frac{1}{r}に対して適用すると、

V=Ω_εv=\frac{1}{r}は調和なので、

-\iiint_{Ω_ε}\frac{1}{r}\Delta u dy=\iint_{S \cup σ_ε} u \frac{\partial }{\partial n_y}\frac{1}{r} -\frac{1}{r}\frac{\partial u }{\partial n_y}dS

となります。ε→0とすると、

-\iiint_{Ω}\frac{1}{r}\Delta u dy=\iint_{S } u \frac{\partial }{\partial n_y}\frac{1}{r} -\frac{1}{r}\frac{\partial u }{\partial n_y}dS+4πu(0)

がえられます。

これは(*)のx=0の場合になります。よって(*)が示されました。

次に(*)におけるu(x)の代わりに、φ=φ(x)\in C_0^∞(Ω)をとります。

φ(x)ΩC^∞級でΩの境界Sの近くでは恒等的にφ(x)=0となるものの全体です。

したがって、

φ(x)=-\frac{1}{4π}\iiint_Ω \frac{1}{r_{xy}}\Delta_y φ(x)

これは、超関数の意味で

-\Delta_y \frac{1}{4π} \frac{1}{|x-y|} = δ(x-y)

が成り立つことを意味しています。x,yの対称性より、

-\Delta_x \frac{1}{4π} \frac{1}{|x-y|} = δ(x-y)

とできます。

yは任意にとってきたので、

e_a(x)=\frac{1}{|x-a|}

Laplace方程式の基本解であることがわかりました。