アマチュア数学者の日記

とある大学で数学を学んでいます。専門は偏微分方程式です。高校野球、マラソン、カメラ、数学、etc...多趣味です。様々なことを書いていきます。

熱方程式⑨Green関数(続き)

こんにちは

久しぶりの投稿になります。教育実習も終わり一息ついたところなので、今日からまたブログの方を再開したいと思います。

今日は熱方程式⑥で扱ったGreen関数の性質の証明の続きをやりたいと思います。

前回の記事はこちら

www.ruhamata.work

Green関数の性質をもう一度確認しておきます。

Green関数K(t,x,y)の性質

K(t,x,y)=K(t,y,x)

K(t,x,y) ≧ 0

\int_0^1 K(t,x,y)a(y) dy ≦ 1

a \in C^1[0,1],a(0)=a(1)=0 ならば、

\int_0^1 K(t,x,y)a(y)dy → a(x)   (t→0)

 

前回①②は示したので、今日は③④を示したいと思います。

まずは③について。

次のような関数列{a_n}を作ります。

a_n\in C^1[0,1],a_n(0)=a_n(1)=0

0≦a_n(x)≦1    (x\in[0,1])

a_n(x)→1    (n→∞)   (x\in[0,1])

このa_nを用いて、

u_n(t,x)=\int_0^1 K(t,x,y) a_n(y) dy

とおけば、u_nは初期値a_nに対する初期値問題の古典解です。

いま、

\overline u = 1  (定数関数)

とおくと、は熱方程式の古典解になっています。

そして、t=0,x=0,1においても、

u_n≦\overline u

が成り立ちます。熱方程式の順序保存性により、

u_n(t,x)≦\overline u =1

となります。

いま、n→∞とすると有界収束定理にによって、

\int_0^1K(t,x,y) dy 

に収束することがわかります。

したがって、\int_0^1 K(t,x,y)a(y) dy ≦ 1

 

次に④について。

a_n\in C^1[0,1],a_n(0)=a_n(1)=0

lim_{n→∞} a_n(x)→a(x)

なる関数列\{a_n(x)\}をとることができます。

③の時と同じように、

u(t,x)=\int_0^1 K(t,x,y) a(y) dy

u_n(t,x)=\int_0^1 K(t,x,y) a_n(y) dy

と定義します。

②③の結果を用いると、

|u(t,x)-u_n(t,x)|

=|\int_0^1 K(t,x,y) \{a(y)-a_n(y)\} dy|

≦ max_{y\in (0,1)}|a(y)-a_n(y)|\int_0^1 K(t,x,y) dy

≦ ||a(y)-a_n(y)||_{max}

と評価することができます。また、各n に対して、一様収束の意味で

u_n(t,x)→a_n(x)

となります。以上の不等式から、

|u(t,x)-a(x)|

≦|u(t,x)-u_n(t,x)|+|u_n(t,x)-a_n(x)|+|a_n(x)-a(x)|

≦2||a(x)-a_n(x)||_{max}+||u_n(x)-a_n(x)||_{max}

が得られます。そこで任意のεに対し、nを十分大きくして

||u_n(x)-a_n(x)||_{max} ≦\frac{ε}{3}

としてからnを固定します。次にt→0とすることによって

||a(x)-a_n(x)||_{max}≦\frac{ε}{3}

とすれば、tを十分小さくしたとき

|u(t,x)-a(x)|≦ε

が成り立つことがわかります。

以上により④が示されました。