アマチュア数学者の日記

とある大学で数学を学んでいます。専門は偏微分方程式です。高校野球、マラソン、カメラ、数学、etc...多趣味です。様々なことを書いていきます。

Laplace方程式③解の一意性

今日はLaplace方程式の解の一意性についてです。

前回は、最大値・最小値の原理を示しましたが、これを用いて簡単に示すことができます。

 

定理(ディリクレ問題の解の一意性)

Laplace方程式の内部ディリクレ問題

\Delta u =0   (x\in Ω)

u|_{∂Ω}=β   ( x\in ∂Ω)

の解は一意である。

証明

u_1,u_2を上の条件を満たす解とする。

v=u_1-u_2とすると、

\Delta v =0   (x\in Ω)

u_1|_{∂Ω}-u_2|_{∂Ω}=β-β=0   ( x\in ∂Ω)

最大値の原理より、

max_{x\in \overline{Ω}}v(x) = max_{x\in {∂Ω}}v(x) 

すなわち、境界∂Ωの値によって最大値に到達するということ。

∴v(x)=0  (x\in Ω)

u_1(x)=u_2(x) (x\in Ω)

以上より内部ディリクレ問題の解の一意性が示されました。

 

 

 実は、Laplace方程式においては、ディリクレ問題に関して解の一意性が成り立ちますが、ノイマン問題では解の一意性は成り立ちません。

ただし、付加定数を除けば一意的です。

定理(ノイマン問題の解の一意性)

Laplace方程式の内部ノイマン問題

\Delta u =0   (x\in Ω)

 \frac{\partial u}{\partial n} =γ(x)   ( x\in ∂Ω)

の解は、付加定数を除いて一意である。

証明

まず、γが調和関数ならば

\iint_{∂Ω} γ(x) dx=0

であることを確認しておきます。(証明は割愛)

いま、同じγ(x)に対する2つの解u_1,u_2があったとして、

w:=u_1-u_2と定義します。

\Delta w = 0

 \frac{\partial w}{\partial n} =0

が成り立ちます。やや形式的な計算により、

0=-\int_Ω \Delta ww dx

=-\iint_{∂Ω} \frac{\partial w}{\partial n}ds + \int_Ω|\nabla w|^2dx

=\int_Ω|\nabla w|^2dx

||\nabla w ||_{L_2}=0

\nabla w(x) =0

従って、w(x)は定数となります。

このことから、解の不定さは定数のみであることがわかります。