アマチュア数学者の日記

とある大学で数学を学んでいます。専門は偏微分方程式です。高校野球、マラソン、カメラ、数学、etc...多趣味です。様々なことを書いていきます。

Laplace方程式①Laplace方程式とは

今日から熱方程式と並行してLaplace方程式についても書いていきたいと思います。

だんだん僕の備忘録と化している感じがしますが、お付き合いください。。。

 

このブログで何回も登場していますが、熱方程式とは

 \frac{\partial u}{\partial t}(t,x)=\frac{\partial^2 u}{\partial x^2}(t,x)

を満たす方程式のことでした。このブログでは簡単のために1次元についてのみ考察してきましたが(たいていの場合そうします)、3次元ではx=(x_1,x_2,x_3)と思って、

 \frac{\partial u}{\partial t}(t,x)=\frac{\partial^2 u}{\partial x_1^2}(t,x)+\frac{\partial^2 u}{\partial x_2^2}(t,x)+\frac{\partial^2 u}{\partial x_3^2}(t,x)

となります。

そして、熱方程式の解u(t,x)は、ある時刻tでのある場所x=(x_1,x_2,x_3)の温度を、表す関数でした。

物理的な現象に目を当ててみると、熱というものは時間とともに広がっていく性質があります。(エントロピーのなんとかってやつです。)例えば、鉄球のある部分に火を当てると時間とともに火が当たっていない部分も熱くなります。そして火を当てるのをやめると、時間とともに鉄球全体の温度が下がり最終的には全体が同じ温度になります。(常温になるということと同じです)この全体が一様な状態になったときを定常状態といいますLaplace方程式とはこの定常状態を表す方程式です。

すなわち、熱方程式をt→∞としたときの方程式になります。まだ書いていないのですが、熱方程式の考察が進むと、熱方程式の解u=u(t,x)tに依らない関数に収束することが知られています。(いつになるかわかりませんがいつか証明します)

すなわち、あるxの関数vがあって、

u(t,x)→v(x){=v(x_1,x_2,x_3)} (t→∞)  

(三次元なのでx=(x_1,x_2,x_3)と思うことにします)

となります。

v(x)が満たす条件について考えてみましょう。v(x)は熱方程の解u(t,x)の収束先ですから当然熱方程を満たしそうな気がします。しかし、注意したいのはv(x)xの関数であってtに依らない関数です。したがって、v(x)t偏微分すると0になります。

以上より

\frac{\partial ^2v}{\partial x_1^2}(t,x)+\frac{\partial^2 v}{\partial x_2^2}(t,x)+\frac{\partial^2 v}{\partial x_3^2}(t,x)=0

となります。これがv(x)の満たす方程式になります。

ここでいくつか言葉の定義をします。

 

定義(Lapalace作用素

\Delta u=\frac{\partial^2 u}{\partial x_1^2}(t,x)+\frac{\partial^2 u}{\partial x_2^2}(t,x)+\frac{\partial^2 u}{\partial x_3^2}(t,x)

となる\DeltaをLapalace作用素またはラプラシアンといいます。

 

定義(Laplace方程式)

\Delta u=\frac{\partial^2 u}{\partial x_1^2}(t,x)+\frac{\partial^2 u}{\partial x_2^2}(t,x)+\frac{\partial^2 u}{\partial x_3^2}(t,x)=0

をとなる方程式をLapalace方程式といいます。

 

定義(調和関数)

\Delta u=\frac{\partial^2 u}{\partial x_1^2}(t,x)+\frac{\partial^2 u}{\partial x_2^2}(t,x)+\frac{\partial^2 u}{\partial x_3^2}(t,x)=0

を満たす関数u=u(x)=u(x_1,x_2,x_3)を調和関数といいます。

 

先ほどの議論に戻ります。

\frac{\partial^2 v}{\partial x_1^2}(t,x)+\frac{\partial^2 v}{\partial x_2^2}(t,x)+\frac{\partial^2 v}{\partial x_3^2}(t,x)=0

から、定常状態を表す関数v(x)は調和関数であることがわかります。

すなわちLaplace方程式は熱方程式の十分時間が経ったバージョンの方程式であることがわかりました。

 

以上がLapalace方程式の導出になります。

熱方程式と関連するところも多いですが、そうでないところも結構あってそれなりに面白い方程式です。また、電磁気学で登場する方程式の多くは調和関数です。すなわち、Lapalace方程式を満足するということ。

Lapalace方程式も物理との関連が深く豊かな話題を提供してくれる方程式です。