アマチュア数学者の日記

とある大学で数学を学んでいます。専門は偏微分方程式です。高校野球、マラソン、カメラ、数学、etc...多趣味です。様々なことを書いていきます。

熱方程式④L2ノルムに対する解の安定性

今日も熱方程式についてです。まさか熱方程式について4回も書くとは思ってもいませんでした。今日はL_2ノルムに対しても安定となることを見ていきたいと思います。

L_2ノルムについてはフーリエ級数のところで書きましたのでそちらを参照していただければと思います。

www.ruhamata.work

ベクトルの内積を関数にも適用し、それでノルムを定義したものでした。

それでは早速定理に入っていきます。

 

定理

(1) \frac{\partial u}{\partial t}(t,x)=\frac{\partial u^2}{\partial x^2}(t,x)

(2)u(t,0)=u(t,1)

(3)u(0,x)=a(x) 

の解はL_2ノルムに関して安定である。

証明

J(t)=||u(t,x)||^2=\int_0^1 u(t,x)^2 dx

とします。両辺t微分して、

 \frac{\partial J}{\partial t}(t)

=2\int_0^1 \frac{\partial u}{\partial t}u dx

=2\int_0^1\frac{\partial u^2}{\partial x^2}u dx

=2\int_0^1(u_x)'u dx

=2[u_xu]_0^1 - 2\int_0^1u_x^2dx

=2\{u_x(t,1)u-u_x(t,0)u\} - 2\int_0^1u_x^2dx

=-2\int_0^1u_x^2dx≦0

J(t)は減少関数

0 ≦ t ≦ ∞ に対し、u(t)≦u(0)

||u(t,x)||≦||u(0,x)||=||a(x)||

 

※以上の証明に用いたノルムはすべてL_2ノルムです。

 

以上が熱方程式の最大値の原理から導かれる事実です。熱方程式の理論の中でも最大値の原理は中心となる理論です。これはラプラス方程式にも当てはまります。ラプラス方程式については自分の中で理解が深まってから書いてみたいと思います。