アマチュア数学者の日記

とある大学で数学を学んでいます。専門は偏微分方程式です。高校野球、マラソン、カメラ、数学、etc...多趣味です。様々なことを書いていきます。

期待値

期待値という言葉を聞いたことがありますか?

以前はたいていの高校で1年生の数学の時間に学習したと思います。

現在は学習指導要領から外れているために、高校の間に学習することはほとんどありません。(一応数学Bの統計の単元にあるのですが、ほとんどの高校ではやることはないでしょう)僕は期待値が学習指導要領から外された最初の世代です。なので僕たちの世代は理系であろうと期待値っていうものの存在を知らないんですよね。これは結構な問題だと思います。役に立つとか役に立たないとかいう考え方で学問をすることはナンセンスだとは思いますが、期待値は間違いなく役に立つ考え方です。

ここで期待値とは何なのかということを確認しましょう。期待値とは平均値ともいって、その事象が起こると期待される値です。まぁ文字通りといえば文字通りですね。

例えばさいころを投げて出てくる目の期待値を考えてみましょう。さいころの目がでる事象をXとします。それぞれの数字がでる確率は1/6です。この事象の期待値をE(X)とします。(期待値は通常Eとすることが一般的です。英語でexpected  valueということから来ています。)

E(x)=\frac{1}{6} ×1+\frac{1}{6} ×1+\frac{1}{6} ×2+\frac{1}{6} ×3+\frac{1}{6} ×4+\frac{1}{6} ×5\frac{1}{6} ×6

  =\frac{1}{6} (1+2+3+4+5+6)

       =\frac{1}{6} ×21

  =3.5

以上の計算によりさいころを振って出る目の期待値は3.5であることがわかりました。すなわちさいころを1回投げると大体3から4の値が出るかもよということです。

さいころの例では、わかりにくい感じもしますのでテストの期待値を考えてみましょう。例としてセンター試験の英語の点数の期待値を考えてみたいと思います。簡単にするために全問4択の選択式だったとします。(多分並べ替え以外は4択だった気がします)満点が200点ですので「ランダムに」選択してマークすると、大体50点になるのではないかと直感的に考えられます。実際に期待値は50です。計算式は、

200×\frac{1}{4} =50

となります。実際のセンター試験は、並び替えがありますので、少し下がって47から48くらいになると考えられます。このように考えるとセンター数学の期待値なんてものは限りなく0に近くなります。

こういう言い方をすると語弊があるのですが、期待値とは「私たちがした操作・行動によって得られるであろう結果の平均のこと」です。上の例ではすべての問題を完全に「ランダムに」選択をマークした場合には50点という結果になりましたが、少し勉強して試験に挑むと、100%正解できる問題もありますし、4択ではなく2択に絞ることのできる問題もあるでしょう。そうなると期待値はもちろん大きくなります。

結果の注意したいのは得られるであろう結果の平均のことです。必ずしもこのような結果になるわけではありません。実際さいころを投げて3.5の目が出ることはありません。しかし、さいころを十分たくさん投げたときに出た目の平均をとると3.5に近くなるということです。

統計学や確率論なんかでは離散的な量だけでなく、連続的な確率分布の期待値を考えたるので、期待値を求める際に積分論や測度論なんかが出てきます。奥の深い話ですね。