アマチュア数学者の日記

とある大学で数学を学んでいます。専門は偏微分方程式です。高校野球、マラソン、カメラ、数学、etc...多趣味です。様々なことを書いていきます。

『斎藤正彦 線型代数入門』

こんにちは

東京大学出版会から出ている斎藤正彦先生の「線型代数入門」についてです。

線型代数微分積分の教科書は世の中にたくさんあって、どの教科書を買えばよいか迷う方も多いと思います。僕的には大学の授業で指定された教科書を使っていれば大体の知識は身につくと思うのですが、中には簡単すぎるものもあって数学科の学生には物足りないこともあると思います。そういう方向けの教科書選びの参考になればと思い、書いてみます。

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この教科書は線型代数の教科書の中で最も売れた教科書ではないかと思います。初版が1966年で2019年現在62刷されています。数学の教科書でこれだけ多く発行されてるのは高木貞治先生の「解析概論」くらいではないでしょうか。大学の先生たちもこの本で勉強した方も多く、授業中も何回かこの本の内容をそのまま説明される先生もいました。後半の単因子論によるジョルダン標準形の説明が丸々代数のテストに出たこともあります。まぁそれくらい有名な本ってわけです。

まず、この教科書はタイトルに入門とありますが、決して入門書ではありません。高校卒業したての大学1年生が軽い気持ちでこの本を手に取ると間違いなく死亡します。一度大学の線型代数の講義を聞いた後にさらに知識を付けたい人向けの本です。数学科の方が線形空間論の授業の参考書として使うのもいいでしょう。(うちの大学では線型数学という授業名です)この本の中で特に良いと思われる点をいくつか挙げてみます。

①言葉の定義が明解であいまいなところがないこと。

②ベクトルや行列の解析的な取り扱いが豊富なこと。

③群や体の公理など線型代数の「代数」的な側面の内容が多いこと。

④附録が充実していること。特に固有値の存在証明に不可欠な代数学の基本定理なども証明されていること。

⑤あとがきが面白いこと。線型代数に至るまでの歴史が語られています。

他にもありますが、こんな感じです。筆者があとがきでジョルダン標準形の証明を単因子論により証明していることがこの本の弱点であると述べているが、代数の教科書に単因子論による証明が載ってないことが多かったので、この本の証明にお世話になったことを覚えています。

これもあとがきからになるのですが、この本は佐武一郎先生の「線型代数学」を目指しつつ、より理解しやすいものを目指したようです。佐武先生の線型代数の教科書はものすごく難しいですが、この本を読んだ後なら割と理解しやすくなっていると思います。

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