アマチュア数学者の日記

とある大学で数学を学んでいます。専門は偏微分方程式です。高校野球、マラソン、カメラ、数学、etc...多趣味です。様々なことを書いていきます。

位相とは

こんにちは

本日は大学以降で数学をやるうえで欠かすことのできない概念である「位相」についてです。大学で数学を専攻する方がぶつかる壁はいろいろあると思いますが、その中でも位相空間は多くの方が最初は理解に苦しむかもしれません。個人的には線形代数の理論と(計算だけではない本格的なやつ)とε-δ論法、そして位相空間は誰もがぶつかる壁ではないかと思っています。数学のどの分野においても登場するこの「位相」についてなるべくわかりやすく説明してみたいと思います。まずは、位相の定義を確認しましょう。

集合 X の位相とは次の条件を満たす X の部分集合の族 O をいう.この族 O に属する部分集合を開集合という.
X ∈ O ,空集合 ∈ O.
有限個の U1, ..., Un ∈ O について,U1∩・・・∩ Un ∈ O である.
族 Uλ ∈ O, (λ∈ Λ) について,∪λ∈ Λ Uλ ∈ O である.  

 この位相が定義された集合を位相空間といいます。位相空間の一番面白いところは抽象的過ぎて何をしているかわからないところだとうちの大学で一番数学のできる大学院の先輩が仰っておりました。

上記の定義は数学の記号を使った正しい定義です。しかしこの定義は抽象的過ぎて位相とは何なのかといったところを理解するのが困難です。そこで、以下僕なりに位相の解釈を例を交えながら書いてみたいと思います。

位相とは「近さ」を与える情報のことだと思ってください。「近さ」といって真っ先に思いつくのは距離でしょう。距離は位相の一つです。距離ってのはものすごくわかりやすい近さを表す指標です。相異なる2点をとると私たちの知っている数学フィールドや地球上のあらゆる場所で距離を測ることができます。しかも距離は数値化できるので数値の大小により「近さ」を判断することができます。しかし世の中には距離だけで近い、遠いを判断することが難しい場合があります。以下のような例を見てみましょう。

集合を世界の国々とします。世界には196か国の国があります。(北朝鮮もいれてます)このすべてについて考察するのは難しいので、日本、中国、アメリカの3か国を考えます。地理的な「距離」で言うと日本と中国が近く、アメリカが遠いことになります。しかし政治的な近さはどうでしょうか。いろいろな考えがありますが日本とアメリカが近く中国が遠いです。まとめると

地理的な距離 「日本、中国」 「アメリカ」

政治的な近さ 「日本、アメリカ」 「中国」

となります。要は「近さ」を測る情報によって各国間の「近さ」というものは変わるのです。このような近さを決めるための情報のことを「位相」といいます。

 

せっかくなのでもう一つ例を挙げましょう。

A,B,C君の3人からなる集合を考えます。A君のテストの点数は90点、B君は70点、C君は60点だったとします。そんな時「B君とC君は近いね」なんてことを言ったりしますよね。これも立派な位相です。成績という情報によって「近さ」を判断することができるのですから。

 

以上のような例に見るように「近さ」というものは与えられた情報によって決まるものなのです。これは数学にも当てはまります。数学という学問は具体的なことがらを抽象的にしていく学問です。距離というものは数値で表現できる具体的なものです。それを抽象化したものが「位相」だと思ってください。本当はこの後に位相幾何学のことについて触れたいのですが、僕の知識不足により説明できません。また勉強していつか書きたいと思います。