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駆け出しのシステムエンジニアです.もともとアマチュア数学者の日記というタイトルのブログを書いていました.大学では数学を先行していました.数学の話多め,その他テキトーにつぶやきます.

熱方程式

熱方程式⑯Cauchy問題の解の存在

前回、前々回はCauchy問題の解を構成するためにGreen関数というものを構成しました。 そのGreen関数 を用いてCauchy問題の解は と書けました。 今日は逆にこの解がCauchy問題 (1), (2) を満足することを確認します。 定理(Cauchy問題の解の存在) を有界な連…

熱方程式⑮Cauchy問題part3 Green関数の性質

前回、熱方程式のCauchy問題 (1), (2) の解を構成しました。 その結果、解は を用いて と表現することができることがわかりました。 今日はこのの性質を見ていきましょう。 の性質 (1)に対し、 (2) とくに、 (3) とくに、 (4)では、はの級関数で、 熱方程式…

熱方程式⑭熱方程式のCauchy問題part2 Green関数

以前熱方程式のCauchy問題の定義と、最大値の定理を示しました。 この最大値の原理から、一意性や安定性が導かれます。 今日はその解を具体的な形で表現してみたいと思います。 まず、熱方程式のCauchy問題とは以下のような問題のことでした。 (1), (2) その…

熱方程式⑬定常状態への遷移part3

これまで2回にわたって熱方程式が十分時間が経つと定常状態へ遷移することがわかりました。 今日は最後に領域の内部に熱源があり、さらに境界で熱が出入りしている場合についてみていきます。 そのような場合をまとめると以下のようになります。 (1) (2) (3)…

熱方程式⑫定常状態への遷移part2

昨日の続きです。 今日は熱方程式のディリクレ問題の境界条件が0でなく、熱源が密度で分布している一般の場合についてです。 定理 (1) (2) (3) の解はのときによらない関数に一様収束し、その速さは指数関数的である。 証明 いま、]で定義された未知関数に対…

熱方程式⑪定常状態への遷移

今日は熱の拡散現象が十分長い時間経過した後の状態を考えます。 結論から言ってしまうと、最初は熱方程式を満たしていた系が、十分長い時間がたつと、Laplace方程式を満たすようになります。 すなわち、Laplace方程式は熱方程式の十分長い時間がたったバー…

熱方程式⑩熱方程式のCauchy問題

久しぶりに熱方程式について書きたいと思います。 前回まで、熱方程式の考察の対象として、以下のようなディリクレ問題 (1)= (2)= (3)= やノイマン問題 (1)= (2)== (3)= を対象にしていました。 今回は熱方程式の定義域を無限に広げたバージョンについてみて…

熱方程式⑨Green関数(続き)

こんにちは 久しぶりの投稿になります。教育実習も終わり一息ついたところなので、今日からまたブログの方を再開したいと思います。 今日は熱方程式⑥で扱ったGreen関数の性質の証明の続きをやりたいと思います。 前回の記事はこちら www.ruhamata.work Green…

熱方程式⑧Green関数

以前熱方程式を考察する過程でフーリエ級数という考え方が生まれたことを紹介しました。 その記事はこちらです。 www.ruhamata.work フーリエ級数とは簡単に言うと熱方程式の特殊解を無限に重ね合わせることで得られる一般解のことでした。 例えば、以下の熱…

熱方程式⑦ノイマン問題の解の一意性

以前から熱方程式の記事について書いています。 以前までは以下の熱方程式を考察の対象にしていました。 (1)= (2)= (3)= 上の(1)~(3)を満たす熱方程式の初期値・境界値問題を熱方程式のディリクレ問題といいます。 今日は、 (1) (2) (3) 上の(1)~(3)を満た…

熱方程式⑥L2ノルムに対する解の安定性

今日も熱方程式についてです。まさか熱方程式について4回も書くとは思ってもいませんでした。今日はノルムに対しても安定となることを見ていきたいと思います。 ノルムについてはフーリエ級数のところで書きましたのでそちらを参照していただければと思いま…

熱方程式⑤解の安定性

今日も前回に引き続き、熱方程式の話です。 前回の記事はこちら www.ruhamata.work 今日は解の安定性について。まず、解が安定であるということと、問題が適正(well-posed)であることの定義から。 定義① 一般に数理物理の問題において、適当なノルムで測った…

熱方程式④最大値の原理からわかること

前回に引き続き、熱方程式についてです。 前回の記事はこちら www.ruhamata.work 実は最大値の原理から解の一意性や保存性が導かれます。前回の定義・定理のステートメントを引用しておきます。 定義① 任意の正の数に対して、 ] , とします。が熱方程式 = の…

熱方程式③最大値の原理

解析を専攻していると、どの分野でも「最大値の原理」が登場します。ほとんどの方は複素解析で耳にしたことがあると思いますが、実は解析のどの分野にもある原理です。 それぞれの分野ごとにこの最大値の原理の意味は異なるのですが、今日は自分の専門の熱方…

熱方程式②フーリエ級数part2

こんにちは 今日は昨日の続きです。前回はある関数を三角関数の定数倍の無限和であらわすことができることを見ました。今回はより踏み込んで、三角関数がベクトル空間の基底となり得ることを見ます。 www.ruhamata.work 空間についてベクトル空間というとな…

熱方程式①フーリエ級数

こんにちは フーリエ級数についてです。工学部や物理学科の方は学部の2.3年生で履修する科目じゃないでしょうか?実は大学にもよりますが多くの大学の数学科では学部のうちに履修することほとんどないようです。僕の研究室のはテーマが偏微分方程式なので必…