アマチュア数学者の日記

とある大学で数学を学んでいます。専門は偏微分方程式です。高校野球、マラソン、カメラ、数学、etc...多趣味です。様々なことを書いていきます。

偏微分方程式

Laplace方程式⑦調和関数の球面平均

今日は調和関数の球面平均の定理をみていきます。 実は正則関数についても同様のことが成り立ちます。 正則関数であることと、実部・虚部が調和関数であることは同値だったので当たり前のような気もしますが、実際に成り立つことを示したいと思います。 定理…

Laplace方程式⑥調和関数に対するリウビルの定理

今日は調和関数における有界な関数についてみていきます。 その中でもタイトルにあるリウビルの定理について。 リウビルの定理といえば複素解析などの授業で証明した方も多いと思います。 複素解析で登場したリウビルの定理のステートメントを書いておきます…

Laplace方程式⑤Newtonポテンシャルとポアソン方程式

今日は、Newtonポテンシャルについて。 定義 を有界領域、をの有界な連続関数とします。 によって定義されるのことを密度を持つNewtonポテンシャルと呼びます。 Newtonポテンシャルの最も重要な性質として、ポアソン方程式 を満足することが挙げられます。 …

Laplace方程式④Laplace方程式の基本解

定義 一般に、を変数とする偏微分作用素に対し、 を満足するの関数をを特異点とするの基本解といいます。 がLaplace方程式の解になることは以前確認しました。 の最も重要な性質は、 と表すことができることです。 今日はこれを導きたいと思います。 に対し…

熱方程式⑦Green関数(続き)

こんにちは 久しぶりの投稿になります。教育実習も終わり一息ついたところなので、今日からまたブログの方を再開したいと思います。 今日は熱方程式⑥で扱ったGreen関数の性質の証明の続きをやりたいと思います。 前回の記事はこちら www.ruhamata.work Green…

Laplace方程式③解の一意性

今日はLaplace方程式の解の一意性についてです。 前回は、最大値・最小値の原理を示しましたが、これを用いて簡単に示すことができます。 定理(ディリクレ問題の解の一意性) Laplace方程式の内部ディリクレ問題 () ( ) の解は一意である。 証明 を上の条件を…

Laplace方程式②最大値・最小値の原理

今日はLaplace方程式の最大値の原理についてです。 熱方程式の時と同じように、Laplace方程式においてもこの最大値・最小値の原理を基に、解の一意性や正値保存性などが導かれます。 それでは見ていきましょう。 定理(調和関数の最大値・最小値の原理) はの…

ディラックのデルタ超関数

こんにちは 今日は偏微分方程式を考えるうえで何度も登場するデルタ関数について紹介します。 デルタ関数とは デルタ関数は超関数と呼ばれるものの一種です。物理では、本来はものすごく狭い(例えば電子のようなものです。ですが、いくら小さくても点ではな…

熱方程式⑥Green関数

以前熱方程式を考察する過程でフーリエ級数という考え方が生まれたことを紹介しました。 その記事はこちらです。 www.ruhamata.work フーリエ級数とは簡単に言うと熱方程式の特殊解を無限に重ね合わせることで得られる一般解のことでした。 例えば、以下の熱…

熱方程式⑤ノイマン問題の解の一意性

以前から熱方程式の記事について書いています。 以前までは以下の熱方程式を考察の対象にしていました。 (1)= (2)= (3)= 上の(1)~(3)を満たす熱方程式の初期値・境界値問題を熱方程式のディリクレ問題といいます。 今日は、 (1)= (2)== (3)= 上の(1)~(3)を…

Laplace方程式①Laplace方程式とは

今日から熱方程式と並行してLaplace方程式についても書いていきたいと思います。 だんだん僕の備忘録と化している感じがしますが、お付き合いください。。。 このブログで何回も登場していますが、熱方程式とは = を満たす方程式のことでした。このブログで…

熱方程式④L2ノルムに対する解の安定性

今日も熱方程式についてです。まさか熱方程式について4回も書くとは思ってもいませんでした。今日はノルムに対しても安定となることを見ていきたいと思います。 ノルムについてはフーリエ級数のところで書きましたのでそちらを参照していただければと思いま…

熱方程式③解の安定性

今日も前回に引き続き、熱方程式の話です。 前回の記事はこちら www.ruhamata.work 今日は解の安定性について。まず、解が安定であるということと、問題が適正(well-posed)であることの定義から。 定義① 一般に数理物理の問題において、適当なノルムで測っ…

熱方程式②最大値の原理からわかること

前回に引き続き、熱方程式についてです。 前回の記事はこちら www.ruhamata.work 実は最大値の原理から解の一意性や保存性が導かれます。前回の定義・定理のステートメントを引用しておきます。 定義① 任意の正の数に対して、 ] , とします。が熱方程式 = の…

熱方程式①最大値の原理

解析を専攻していると、どの分野でも「最大値の原理」が登場します。ほとんどの方は複素解析で耳にしたことがあると思いますが、実は解析のどの分野にもある原理です。 それぞれの分野ごとにこの最大値の原理の意味は異なるのですが、今日は自分の専門の熱方…

フーリエ級数②

こんにちは 今日は昨日の続きです。前回はある関数を三角関数の定数倍の無限和であらわすことができることを見ました。今回はより踏み込んで、三角関数がベクトル空間の基底となり得ることを見ます。 www.ruhamata.work 空間についてベクトル空間というとな…

フーリエ級数

こんにちは フーリエ級数についてです。工学部や物理学科の方は学部の2.3年生で履修する科目じゃないでしょうか?実は大学にもよりますが多くの大学の数学科では学部のうちに履修することほとんどないようです。僕の研究室のはテーマが偏微分方程式なので必…

偏微分方程式について

こんばんは 今回は二回目の投稿となります。 今日は偏微分方程式についてです。僕はプロフィールにあるように数学を専攻しています。特に偏微分方程式を専門にしています。偏微分方程式とは変数が二つ以上ある関数の偏微分を含む方程式のことです。偏微分方…